現在、弊社(株式会社アクティブゲーミングメディア)には世界20カ国以上のスタッフが常駐し、約3,000人以上の翻訳者の登録があります。そして、有難いことに毎日世界中の翻訳者の方から「一緒に仕事がしたい」という問い合わせをいただきます。
それらの問い合わせの中には、これからプロの翻訳者を目指す人達もいて
「ゲームの翻訳者になりたいのだけど、どうしたらいいですか?」
といった質問もあります。このような問い合わせには、
「第二言語の習得はもちろんですが、第一言語の語彙力を高める事も重要です。ゲームだけでなく、漫画、書籍、映画、色々なエンターテインメントコンテンツに触れてください。」
とお伝えしています。
今回は、このようなプロの翻訳者を目指す人たちだけではなく、ゲーム会社の方、ゲーム翻訳・ゲームローカライズをして商品の海外展開を考えられている方皆さんに向けて、とても重要になってくる内容をお伝えしようと思います。
1.翻訳・ローカライズというのは、「単純作業」ではない
よく「外国語ができるから、翻訳やローカライズもすぐできるでしょう」と勘違いしてしまう人がいます。確かに翻訳やローカライズに携わる仕事をしていない場合、そのように考えられてしまうのも無理もないです。
強いて言えば翻訳だけならそれでもなんとかなるかもしれませんが、ローカライズともなると、そんな簡単なものではありません。
ゲーム翻訳・ゲームローカライズは、短い文章であっても、言葉だけでなく、作品の世界観や雰囲気を適切に伝えなければならないので、何時間もの労力が必要になります。
2.良い翻訳・良いローカライズとは?
こちらに関しては意見が割れるところだと思います。ある人は「原文に忠実に翻訳することが良い翻訳だ。」というでしょうし、またある人は「ターゲット国に受け入れられるよう翻訳するのが良い翻訳だ。」というでしょう。
そもそも翻訳された文章も、読み手の好みで評価がかわるためとても難しい質問ではありますが、ローカライズ会社の弊社としては、「ターゲット国に受け入れられるよう翻訳するのが良い翻訳だ」と考えております。
ゲームをプレイする人、漫画を読む人、アニメを見る人それぞれが、その作品が自分の国で作られたものだと疑わないのがいいローカライズだと思っています。
弊社代表はスペイン出身ですが、彼が子供の頃キャプテン翼のアニメがヨーロッパでは放送されていたそうです。
翼がオリベル、若林がベンジと名前が変えられていて(ローカライズされていて)大人になるまでずっと自分の国で制作されたアニメだと思っていたと話していました。
良い翻訳・ローカライズというのは、その作品を見る人が何の違和感もなく、すっと作品の世界に入りこめるように作成することです。
そのため翻訳者たちは、作品のオリジナルの国、そしてターゲットの国の言葉だけではなく、文化的、政治的、宗教的なこと、そして生活習慣や考え方に至るまで精通しておく必要があります。
また、翻訳・ローカライズしたものがしっかり作品に反映されているかといったチェック(LQA)もとても大事な作業になってきます。
今後海外展開を考えておられる会社様は、ぜひ上記のことを考慮していただき、翻訳・ローカライズ作業に対しての重要視する部分に時間をかけていただけたらと思います。弊社では時間をかけていただいた分、質の高いものを提供するようお約束させていただきます。