Contents
- 様々な業種で広がるビジネスのグローバル化
- ビジネスを海外展開するメリット
- 日本社会の特徴や特殊性
- 海外諸国の社会の特徴や特殊性
- ローカライズとは何か?海外展開時の必要性
- ビジネスの海外展開時におけるローカライズのメリット
- ビジネスの海外展開におけるプレゼンの重要性とは?
- 自己主張・表現(アサーション)のタイプ
- スライド(プレゼン)やスピーチ等に使用される構成と種類
- SDS…Summary(要約)→ Details(詳細)→ Summary(要約)
- PREP…Point(結論)→ Reason(理由・根拠)→ Example(例)→ Point(結論)
- OREO…Opinion(意見)→ Reason(理由・根拠)→ Example(具体例)→ Opinion(意見)
- DESC…Describe(描写)→ Explain(説明)→Specify(提案)→ Choose(選択)
- 海外のスライド(プレゼン)デザイン例
- 日本語
- 英語
- ビジネス翻訳は当社へご相談ください!
様々な業種で広がるビジネスのグローバル化
昨今、急速に広がるビジネスのグローバル化は、様々な要因によって推進されてきました。まず第一に、情報技術の進歩が挙げられます。インターネットの普及や様々なコミュニケーションツールの発展により、世界中の人々が瞬時につながり、情報を共有することが可能となりました。この情報技術の進歩は、国境を越えたビジネスのコミュニケーションと取引を容易にし、グローバル化を促進しました。また、国際貿易の自由化もグローバル化の要因です。貿易障壁の撤廃や貿易協定の締結により、企業はより自由に海外市場に参入できるようになりました。そして、大きな要因としてコロナウイルスによる世界的なパンデミックが、多くの企業にとってビジネスのグローバル化を後押ししました。ロックダウンやソーシャルディスタンスの要請により、多くの企業がオンラインでの業務にシフトしました。これにより、場所に依存せずに仕事ができるようになり、企業は国境を越えて従業員を雇うことができるようになりました。その結果、グローバルな人材の活用が進み、ビジネスのグローバル化が促進されました。また、 海外のみならず日本国内においてもオンラインでの活動がスタンダードになったことで、デジタルマーケティングの重要性が一層高まりました。企業はグローバルなオンライン広告やプロモーション活動を通じて、世界中の顧客にアクセスし、製品やサービスを提供することができるようになりました。
株式会社日経ビーピー様のビジネスメディア『日経ビジネス』では、グローバル化を巡る国内の動向について過去記事をまとめて紹介しています。
ビジネスを海外展開するメリット
実際に、ビジネスの海外展開には多くのメリットがあります。まず初めに、ビジネスの成長の機会が広がります。海外市場への進出により、企業は国内市場の限界を超え、新たな需要や成長の潜在力を開拓することができます。特に成長著しい地域への展開や人口の多い地域への展開は、企業の収益性を向上させる可能性があります。また、海外展開はリスクの分散にもつながります。単一の市場に依存することなく、異なる市場に展開することで、一国の経済変動や法規制の変更などによる影響を軽減できるため、企業の安定性が向上します。さらに、グローバルな展開は企業のブランドイメージを向上させる機会を提供します。異なる地域や文化に進出することで、企業はグローバルな存在感を示し、信頼性や認知度を世界中で高めることができます。
日本社会の特徴や特殊性
先ほど、前文でもご紹介しましたが、海外展開をする際のビジネスプレゼンテーションは文化的な適応をすることが望ましいとされています。いずれにしても、海外展開やビジネスを成功させるためには相手の事を知る事が必要不可欠です。ですが、『相手を知るにはまずは自分から』普段から当たり前に生活していると気付きにくい、日本社会の特徴や特殊性を改めてご紹介します。日本社会は島国という土地柄のため、少数民族で構成されており、異なった文化を持つ外国人の流入が少ない社会でした。そのため、多様な文化によって成り立つ欧米社会ではよくある、同じ国民同士でも同じ言語を話さないという事柄が発生することもなく、長い年月をかけて独自の社会や文化が発展してきました。そういった背景から、世界的にみるとハイコンテクストな社会と言われています。要因として、日本のコミュニケーションでは、非言語的な言葉を発さないコミュニケーションも重要視されるからだといわれています。相手の表情や態度、目線、沈黙などから感情や意図を読み取ること、所謂、空気を読むという事がごく一般的に行われています。そして、日本の文化は集団志向性が強く、個人よりもグループや組織の一体感や調和を重視します。コミュニケーションにおいても、他の人の意見を尊重し、意見を求めるよりも遠回りな表現をすることがあります。また、直接的な表現よりも間接的な表現が一般的です。謙遜や控えめな表現が重視され、相手の顔色を保つことや調和を大切にします。そのため、意見を直接表明せず、間接的な表現や暗示を用いることが多いです。言語の特殊性としては、敬語の使用も挙げられます。相手との関係や状況に応じて、適切な敬語を使用することが求められます。敬意を示すための言葉遣いや敬語の使い方は、重要なコミュニケーションスキルとされています。ビジネス環境においても、日本の特殊性として意思決定プロセスが慎重に行われることが挙げられます。情報収集や検討の過程が重要視され、意思決定には時間がかかることがあります。グループ内の合意形成や綿密な検討が重視される傾向があります。
海外諸国の社会の特徴や特殊性
次に、海外諸国の社会の特徴や文化をご紹介します。
欧州…欧州は多くの国や民族が存在し、多様な文化や言語が共存しています。多文化主義を尊重し、異なる文化や言語の共存を支援する法律や政策が多く存在します。多くの欧州国では、英語が学校教育の一環として教えられ、ビジネスや観光などの分野で広く使われています。そのため、スタンダードなコミュニケーションとして英語が用いられる事が多く、欧州で英語を第二言語として話す人口は膨大です。ただし、各国の英語の話し手の割合は異なるため、具体的な数値を示すことは困難です。コミュニケーションにおいては、第二言語同士の英語でのコミュニケーションになることが多いため、簡略的かつ、直接的で伝わりやすい話し方や、デザインが求められます。
米国…米国は移民の国であり、様々な人種、民族、宗教、文化が共存する多様な社会です。そして、異なる文化的背景を持つ人々が多く住んでいます。そのため、多様性を尊重し、異なる文化や価値観を受け入れることが重要な価値とされています。そんな米国社会では、主に英語が話されていますが、欧州と同じく様々な言語が話されています。主な言語とその割合の一般的な概要について、2021年の推定値では、英語が約70%以上、スペイン語が約13.8%、中国語(広東語・北京語・台湾語などを含む)が 約1.1%、タガログ語が約0.6%、フランス語が約0.5%、ドイツ語が約0.4%(※以下省略)とされています。また、米国におけるビジネス環境は、労働倫理や競争社会が根付いています。成功や成果に対する評価が高く、努力と自己啓発が重視されます。ビジネスや起業家精神が盛んであり、成果主義の文化が広まっています。
ローカライズとは何か?海外展開時の必要性
先ほど、海外諸国の社会の特徴や文化をご紹介した通り、世界中の国や、地域には様々なスタンダードが存在しています。文化の違いを例えると、直接的な表現や間接的な表現、個人主義や集団主義などの違いがあります。対象地域でビジネスを成功させるには、相手地域のコミュニケーションスタイルに合わせて適切なアプローチ方法を取る必要があります。また、ビジネスの海外展開では、信頼と信用の構築が重要です。対象地域の言語や文化に敬意を払い、対象地域の言語にただ翻訳するだけでなく、文化に配慮した適切なコミュニケーションを行うことで、相手に対する信頼感を高めることができます。逆に、対象地域の言語や、文化を無視したコミュニケーションは、誤解や不信感を生む可能性があります。そういった、対象地域毎のスタンダードに合わせることをローカライズといいます。
以下の当ブログ記事では「ローカライズ」を詳しくご紹介しております。
ローカライズとは?翻訳との違いや、ローカライズの重要性を徹底解説
ビジネスの海外展開時におけるローカライズのメリット
(効果的なアプローチ)言語の理解
ローカライズされた資料は、対象地域の言語を話す人々に対してより理解されやすくなります。言語の違いによる誤解や意思疎通の問題を最小限に抑えることができ、情報の効果的な伝達が可能となります。
(顧客満足度の向上)文化への適合
対象地域の文化に敬意を払い、相手に対する配慮を示すことで、信頼関係を築きやすくなります。また、ローカルなデザイン調整やニーズに対応することで、顧客の満足度を高めることができます。
(関心度の向上)競争力の向上
対象地域市場での競合他社と比較して、言語や文化に敏感なアプローチを取ることで、より顧客の関心を引きやすくなります。それにより、市場でのポジショニングやビジネスの成果を改善することができます。
(認知度の向上)ブランドイメージの強化
対象地域の文化や言語を尊重し、顧客やユーザーと適切なコミュニケーションを行うことで、対象地域のローカルユーザーや、ステークホルダーから好意的に受け入れられやすくなります。また、ブランドイメージの強化や認知度を高めることにつながります。
ビジネスの海外展開におけるプレゼンの重要性とは?
新たな市場や文化において、自社や製品・サービスについての情報を効果的に伝える手段がプレゼンテーションです。適切なプレゼンテーションスキルを持つことで、製品・サービスの展開目的や企業価値を明確に伝え、相手の理解を深めることができます。また、的確な情報提供やロジカルなプレゼンテーションの構成、自信と誠実さを伝えることで、相手に信頼感を与えることができます。そして、自社の独自性や競争優位性を明確に伝えることで、顧客やパートナーの関心を引き、競争力を高めることができます。またその中でも、異なる文化や言語を持つ相手に対して、ビジネスプレゼンテーションは文化的な適応や相手とのリレーションシップ構築に役立ちます。相手の文化やビジネス習慣に敬意を払い、適切なコミュニケーションスタイルや表現方法を用いることで、信頼を築き、良好なビジネス関係を構築することができます。
自己主張・表現(アサーション)のタイプ
ここで、プレゼンを行う際には必要な自己主張・表現(アサーション)の型を紹介します。プレゼンをする前に、まず知っておきたいのが自己表現のタイプ(傾向・スタイル)です。アサーションを提唱したアメリカの心理学者ウォルピィ氏によると、プレゼン時や人間関係での自己表現には大きく3つのタイプがあるとされています。プレゼンの構成にも、この基本のコミュニケーションの型が大きく起因すると言われています。
アグレッシブ型…相手よりも自分を優先したコミュニケーションとなり、一方的に自分の主張をする傾向があります。物事をはっきりと伝えられるのがメリットである一方、他人の意見・考え方に否定的で、自分の意見ばかりを押し付ける傾向があります。
ノンアサーティブ型…自分よりも相手を優先したコミュニケーションとなり、自分のことを後回しにしてしまう傾向があります。優しくて穏やかな人が多い反面、自分の意見を口にするのが苦手なため、物事をはっきりと伝えられられない傾向があります。
アサーティブ型…アグレッシブとノンアサーティブの中間に位置します。自分の気持ちや意見をはっきりと言うことができ、同時に相手の気持ちや意見を尊重することができます。相手と意見が対立しても、お互いが納得できる結論を導くことができる傾向があります。
スライド(プレゼン)やスピーチ等に使用される構成と種類
次に、実際にプレゼンやスピーチ、物語やテレビ、広告コンテンツや、会話やメールで使用される話の構成とその種類をご紹介します。ここで紹介するものは、一般的に使用されているもので、一部のみの紹介となります。仮定として「ゴミをバイオテクノロジーで分解するシステムの開発」のプレゼンとします。
SDS…Summary(要約)→ Details(詳細)→ Summary(要約)
コミュニケーションの型(アグレッシブ型)
普段から会話や報告、メールなどに使用できる構成です。
(~について)→(~である)→(~します)等
最後に要約を話すことで、相手は話の概要を再度確認できるため、聞いた内容を記憶にとどめやすくなります。
Summary(要約)
Details(詳細)
Summary(要約)
PREP…Point(結論)→ Reason(理由・根拠)→ Example(例)→ Point(結論)
コミュニケーションの型(アグレッシブ型)
主に製品や有形商材のプレゼン、ビジネストークに用いられる構成です。
(~である)→(なぜなら~)→(例えば~)→(~である)等
結論から話すため、読み手や聞き手は伝えたいことを最初に理解でき、その後の理由や具体例も内容の理解が容易くなります。
Point(結論)
Reason(理由・根拠)
Example(例)
Point(結論)
OREO…Opinion(意見)→ Reason(理由・根拠)→ Example(具体例)→ Opinion(意見)
コミュニケーションの型(アグレッシブ型)
PREPと同様に、主に製品や有形商材のプレゼン、ビジネストークに用いられる構成です。
(~である)→(なぜなら~)→(例えば~)→(~である)等
米国では意見を発表したり、作文を書く練習をするときにOREOを意識するように、子供の頃から指導されています。
Opinion(意見)
Reason(理由・根拠)
Example(具体例)
Opinion(意見)
DESC…Describe(描写)→ Explain(説明)→Specify(提案)→ Choose(選択)
コミュニケーションの型(アサーティブ型)
主に、型にはまらない無形商材や、トラブル発生時の説明に用いられる構成です。
(客観的に事実を述べる)→(主観で説明する)→(サービスや、解決策を提案)→(相手を尊重しながら選択肢を提案)等
問題解決型として有効なプレゼンテーションの構成。はじめに問題点を指摘するのではなく、客観的な事実を説明することで、メインの提案部分に説得力を持たせられます。
Describe:描写
Explain:説明
Specify:提案
Choose:選択
※ここでは相手の反応を伺ったりするため、正式な型はなく相手に合わせた提案の選択をすることを指します。
海外のスライド(プレゼン)デザイン例
最後に、実際に日本以外での地域でよく使用されている、資料や会社案内のデザイン例や特徴をご紹介します。
デザイン面のみでの紹介のため、冒頭部分のみとなります。
※これらはサンプルを作成したものであり、実際に使用されているものではございません。
まず初めに、改めて日本国内でよく使用されていたデザインの特徴をご紹介。
※こちらはオンラインでのビジネスコミュニケーションが、主流ではなかった頃に良く使用されていた例です。
日本語
主に使用されるフォント
Arial、Segoe UI、Calibri、MS Pゴシック(和文書体)、メイリオ(和文書体)
特徴
縦書き文章の存在
理由…日本語以外の言語では縦書きの文章はほぼありません。
デザインの要素
・大量の説明(テキスト)が用いられている。
・基本的はどのページも書式が同じ
理由…日本では決定プロセスが慎重に行われることが多い。そのため、社内で検討される際、全員が同じ情報を共有できるように組み込まれている。
構成
サービスや商材などにもよりますが、起承転結型や、DESC型が多い。
前置きが多めで最後に結論を示すことが多い。
英語
※わかりやすく説明するために日本語で作成しています。
主に使用されるフォント
Arial、Segoe UI、Calibri、Helvetica
特徴
文章は主に左揃え
理由…1単語が長いものがあり中央揃えだと幅が揃わない。改行位置に特に規定はなく、幅が揃う位置で改行する場合が多い。
デザインの要素
・グラフィックが多い
・主語を除いた文章でできるだけ文字を減らす
理由…英語が第二言語の人口も多いため、文章よりも視覚的な情報が安易であり正確に伝わりやすいため。
構成
サービスや商材などにもよりますが、PREP型や、OREO型が多い。
結論を先に話して会社紹介を行い、理由を説明して提案することが多い。
ビジネス翻訳は当社へご相談ください!
当社では、ビジネス資料やスライド(プレゼン)の翻訳を行っております。上記で説明した英語のみならず、当社には様々な言語のネイティブスタッフが在籍しています。そのため、単に翻訳をするだけではない、資料やスライド(プレゼン)の背後にある文化や、ニュアンスを正確に伝える為の「ローカライズ」を行っております。その地域でのコミュニケーションの特徴や、ニーズを正確に理解して行う資料や、スライド(プレゼン)のローカライズは、受け手にとってより親しみやすく、理解しやすいものとなります。これにより、より効果的なビジネスの海外展開が可能です。まずは、お気軽にご相談ください!